携帯電話の料金を考えてみる【ソフトバンク編】

ドコモに続けと、ソフトバンクでも新料金プランを始めるということで。

その名を「スマ放題」、VoLTE時代の革新的な新定額サービスのリメイク版ですね。

実現していれば、ソフトバンクに多大な利益をもたらすであろう料金プランのはずでしたが・・・
ドコモが発表した「カケホーダイ&パケあえる」の前にあっけなく撃沈、提供は延期に。
ソフトバンク流にリメイクして再登場、密かに発表、キャッシュバック付きで事前受付開始。
孫社長が「ドコモに見劣りするようなサービスにはしない」と公言、確かに見劣りしませんよ。

だって、ドコモの新料金プランを丸パクリしていますから、そういうことですよ。

回線単位で契約となる基本プラン、データ定額パックは金額、ドコモとほぼ一緒。
基本プラン

データ定額パック
オリジナルといえば、3G向けのデータ定額パックぐらいでしょうか。
厄介なのはデータ通信量が上限を超えた場合、1GB単位で追加することが可能。
これもドコモと一緒だけど、快適モードなる容量の自動追加という便利な機能もあるようで、
知らぬ間に使いすぎると料金がとんでもないことになるパケ死が復活そうな予感ですね。

ソフトバンクオリジナルなのがデータくりこし、ネットし放題なのに繰越しですよ。
データ繰越し

確かにネットし放題ですが、データパックでは通信量の上限が決まっており、
通信量は上限を超えたら制限を課すけど、余ったら来月に繰り越せますよ
ということなんですが、余った分を繰り越せて便利ですが、ある意味ワナでしょうね。
巧みなトークで必要以上のデータ定額パックを契約させて儲けるための手段です。
なるべくWi-Fiにオフロードして、データ定額は最小限に抑えるのがベターでしょう。
必要に応じて1GB単位で容量をつかして賢く使ったほうがお得です。

家族おトク割、複数回線の2年縛りでデータ定額パックが割引になるそうで、
家族おトク割

これがまた不思議な割引なんですけど、果たしてお得なのかな?
まず、データ定額パック5で300円引きというのは理解に苦しむところですけど。
足りない分は容量追加で5GB分で5000円、パックと追加分を合わせて1万円也と。
そこから300円割引いて9700円、計算が合わないと思うのは自分だけかな?
最初からデータ定額パック10で契約しておけば8500円、あまり意味はありません。

そして、この割引ですけど、家族データシェアとの併用は不可とのことで、
回線ごとにデータ定額パックを契約すると、この割引が適用になるのでしょうか?
概要に「各データ定額パックの月額料金」とあるので、そういうことなんでしょうね。

家族データシェアはドコモと一緒、家族でデータ通信量をシェアしようという話です。
家族データシェア

端末1回線ごとに500円を払って仲良くシェア、だけど、割引はありませんよと。

ここで「Wi-Fiルータープラン」も用意されていますが、ドコモと一緒です。
毎月家族データシェアオプション料金と合わせて1900円を払い、家族で仲良くシェアすると、
ただし、シェア専用なので基本回線とセットで契約が必要ということぐらいですね。
そこはソフトバンク特有の事情があるところで、契約する価値があるかどうかは微妙ですが。

そして、長期継続ボーナスという名の割引サービスですが、目新しさは感じませんね。
割引サービス

契約年数に応じて、毎月の利用額に応じたTポイントの付与率が違うだけの話。
これはドコモのプレミアクラブとほぼ一緒、何のインパクトもありませんね。
あと、U25ボーナスもドコモとほぼ一緒、というか、丸パクリにしか思えないような内容ですよ。
データくりこしや家族おトク割と併用不可ですが、U25ボーナスのほうがお得でしょうか。

ソフトバンクの新料金ですが、ドコモに右へならえと、

大学生がレポートを丸パクリして、バレたらマズイと自己流アレンジを加えた

という感じで基本的な部分はパクリトラップはソフトバンクオリジナルでしょうかね。
一度発表したプランを取り下げて出直し、ドコモの料金プランを徹底的に研究したと思います。
そう、利用者に気付かれないようにお得に見せかけて値上げする仕組みを考えることです。

料金はドコモとほぼ同額、データ繰り越しや割引もあってお得に見える料金プランですが、
基本プランとデータ定額パックと家族シェアを組み合わせるだけなのに色々ありまして、
「アレとコレ」OKだけど「ソレトコレ」はNG、「アレとソレ」は制限付きとか複雑怪奇なんですね。
そこら辺の制約は小さな文字で但し書されているので、注意しないと気が付かないみたいで、
よ~く理解すると、何が得で何が損なのか見ぬくことが出来るとは思いますよ。

ここで、お得意の「やりましょう!」が出てくるのか、ちょっと興味があるところです。
ただ、アメリカ進出で台所事情が厳しいので、期待薄かなと思っていますけど。

ドコモに続いて、右にならえでソフトバンク、次はKDDIが出てくると思いますが、

結局、ドコモとソフトバンクのいいとこ取りしてアレンジを加えたプランになるかと。

社長は思わせぶりは発言をしていますが、営業収入を増やしたいのがホンネです。
とりあえず、KDDIがどう出てくるか気にしながら、今後の動向が気になるところです。
最近、勢いのあるKDDI、インパクトのあるものを出してくれることを期待しますけど。

携帯電話の料金を考えてみる【ドコモ編】

ドコモで今月から新料金プランを始めました。

今までパケット通信だけが定額だったけど、これからは音声通話も定額になります。

音声通話の料金定額とパケット通信のシェア、プラスアルファで各種割引施策みたいで
キーワード

4月の発表当初は音声通話の定額制に意味はあるのかと新料金に疑問を感じましたが、
5月に事前受付を始めると170万件も予約があり、それなりにインパクトはあったみたいです。
ソフトバンクやKDDIに後塵を拝するばかりでしたが、久しぶりにドコモの本気を感じましたよ。
しかし、あれっ?と思うところもありまして、オモテがあればウラもあるということです。

ドコモの新料金プランは基本プランとパケットパック、それに各種料金割引で成り立ちます。

ユーザが支払う月々の料金ですが、

( 基本プラン + パケットパック ) - 各種料金割引

と非常にシンプル、ちょっとした足し算で自分の利用料金が計算できてしまいます。
今まではショップの店員ですら難解な料金プランだったので大胆な戦略だと思いますよ。
しかし、シンプルになったがゆえに気づかないような巧妙なワナが仕掛けられています。
そこにキャリアの戦略と儲けるためのワナが見えてくるはずです。

基本プラン

基本プランは回線単位で契約が必要、端末を持てば強制的に支払うものです。
しかも、端末がスマホやタブレット、フィーチャーフォン、通信専用端末で変わってきます。
カケホーダイの月額2700円で国内通話定額は魅力的ですが、ちょっと待てよ。
今までのXi契約は2年縛りで通話料は30秒で20円、Xiトーク24でドコモ同士は通話無料です。
その前提で考えると、ドコモ以外で最低49分以上通話しないとカケホーダイは無意味です。
まあ、料金定額なので何も気にすることなく、思う存分利用すればいいだけですね。

この他、ISP料金や消費税が別途必要になることを忘れてはいけませんよ。

パケットパック

パケットパックですが、通信量によって

パケットパックですが微妙に値上げとなっていることに気づいているでしょうか?
Xiパケホーダイは通信量7GBで5700円ですが、データMパックは通信量が5GBで5000円です。
前者は1KBあたりの料金は0.80円、後者は1KBあたりの料金は0.98円と約21%高くなります。
シェアパック20だと1KBあたりの料金は0.78円なので、初めてXiパケホーダイより安くなります。

パケットパックはずっとドコモ割が適用されますが、これにもワナがありまして、
割引額はドコモプレミアクラブのステージで決定するので継続利用期間で割引率が変わります。
例えば、契約が4月の方で継続利用期間15年の場合ですが、16年以上になるのは5月ですね。
ここで、ステージ決定のルールを考えると、翌年の4月までプレミアステージになってしまいます。
当然、継続利用期間が16年になってもステージが変わるまで割引額が変わることはありません。
年間数千円程度の話ですが、こういうところで利用者は損して、キャリアが儲かるわけです。

逆によい点もありまして、通信量の上限超えで容量を追加する場合です。
今までの2GB単位で2500円から1GB単位で1000円、安く細かくなって追加しやすくなりましたね。

ここで注意が必要なのはパケットシェア、要オプション契約となっていますから、
シェアオプション

シェアする端末1回線あたり500円、回線数でパケット料金が変わってくることに要注意ですよ。
家族4人でシェアパック15を利用したらオプション込みでパケット料金は14000円になりますから。

パケットパック以外の割引サービスはとりあえず、これだけみたいです。
割引サービス

25歳以下の家族がいると、カケホーダイ500円引でパケット容量1GBボーナスと大盤振る舞い。
お父さんがドコモ契約16年以上で25歳の子供が複数人いると非常にお得になるみたいです。

ドコモの新料金ですが、キャリアはお得さをアピールしていますけど、

モデルケースの契約内容で新料金プランに変更にすると大変お得になる

ということで、よ~く考えてみると実質値上げとなる方が多いという真実隠されています。

この新料金プランですが、

     音声通話の多い人はお得だけど、音声通話の少ない人は損
     家族で回線数が多ければお得だけど、1人や回線数少ない人は損
     さらに若い家族がいればさらにお得だけど、いなければお得にならない

ということですが、そこに隠されたドコモの本音は

家族でドコモユーザーになって頂ければ、ドコモの加入者を効率良く増やせる

ということなんで、確かに1家族4人で4回線、みんなでiPadもっては8回線ですからね。
逆に1人ならiPhoneとiPadとモバイルルーターの3回線がいいところですから。

あと、音声通話定額制はアメでデータ通信料金値上げはムチですよ。
データ通信の増大を抑え、他のネットワークにオフロードしたというのが本音だと思いますよ。
逆に音声通話を定額制にしたところで音声通話自体が全盛期の半分以下、問題は無いとね。
しかも、音声通話の少ないユーザーに定額制を組み込むと自然と料金が増えてくれるので、
ここでパケット通信料をちょっと値上げすれば、自然と増収になるので一石二鳥なんです。

簡単に言ってしまえば、

利用者にお得なように見せかけて、キャリアが儲けるという料金プラン

ということなんです。

料金プランはシンプルになりましたが、キャリアの考えはもっとシンプルでした。